2012年12月09日

ゴキゲン中飛車対超速 菅井流(羽生−佐藤戦)

20121209(テーマ図).png

テーマ図の△4四歩は菅井流と言われる指し方。

今回は、2012年11月22日に指された羽生善治三冠−佐藤康光王将のA級順位戦の1局を
紹介したい。

超速に対して△4四歩と突く菅井流は、今まで当ブログではとりあげてこなかった。
自分が指したことがないので、書きにくかったということもある。今回とりあげようと思った
のは、羽生−佐藤戦が面白い将棋だったからだ。

ただ、その前に菅井流に対する居飛車側の指し方について軽く触れたい。

テーマ図の△4四歩は、かなり突っ張った指し方。普通は先に△4二銀と上がってから
△4四歩と突くところだが、金銀の応援がない状態で△4四歩と突くところに菅井流の特徴が
ある。常識を覆す一手と言えよう。

テーマ図の△4四歩に対しては、▲4六銀と▲7八銀が多く指されているが、▲4六銀は
後手陣の立ち遅れをとがめようという手で、後手が反発して乱戦になりやすい。

一方、▲7八銀は羽生三冠が初めて指した手(相手は菅井五段)で、二枚銀を繰り出し、
△5五歩を目標にする指し方。じっくりした将棋になりやすい。

今回とりあげるのは▲4六銀型。

20121209(テーマ図).png

テーマ図以下の指し手
▲4六銀 △4五歩 ▲同 銀 △3二銀
▲3四銀 △5六歩 ▲同 歩 △8八角成
▲同 銀 △7二玉(第1図)

▲4六銀に対して△4五歩▲同銀△3二銀は、次に△4三銀を見せて動きを誘った手。
先手はそれに乗って▲3四銀と出る。

後手の△5六歩はこの一手。

本譜の△5六歩に▲同歩のところ▲3三銀成は△5七歩成が王手になるので成立しない。以下、
▲7八玉△3三桂となると後手は角銀交換の駒損だが、5七のと金が大きく後手十分。

したがって、△5六歩に先手は▲同歩と取る。以下、△8八角成▲同銀△7二玉で第1図。

20121209(第1図).png

第1図以下の指し手
▲2二角(第2図)

菅井ノート後手編では、▲2二角は△4三銀の紛れを生む分損と述べており、▲7七角が解説
されている。以下、難解ながら後手を持ちたくないと結論づけている。

しかし、羽生三冠は▲2二角と打った。

20121209(第2図).png

第2図以下の指し手
△6四角 ▲1八飛 △4三銀 ▲1一角成
△3四銀 ▲6六香 △4二角 ▲2一馬
△5六飛 ▲7八玉 △6四歩 ▲3五歩
△4五銀 ▲2二馬(第3図)

菅井ノートに書いてあるとおり、後手は△4三銀と指した。▲4三同銀成は△2二飛で角を取
られるので▲1一角成とするしかない。

以下、▲2二馬まで進んで第3図。

20121209(第3図).png

第3図の局面は難解でどちらがいいか分からない。ただ、佐藤王将がリードして終盤を迎えた
ことからすると、第3図の局面はわずかに後手がいいのだろうか?

20121209(第4図).png

第4図は△5七歩成に▲5四金と飛車を取った局面で、第3図から50手ほど進んでいる。

第4図以下の指し手
△6七香成▲8八玉 △7七成香▲同 玉
△6五桂 ▲8八玉 △7七角 ▲9八玉
△8八角打▲8九飛(第5図)

第4図からの△6七香成が敗着で、△6七となら先手玉は寄っていた。

以下、▲8九飛(第5図)まで進んでみると、後手は攻めあぐねた格好となり逆転。

20121209(第5図).png

第5図以下も後手の佐藤王将は攻め続けるが、届かなかった。

本局はネット中継で見ていたが、最後までどちらが勝つかわからない将棋で、名局だと思う。
独断と偏見でランキング付けすると、今年度の将棋では渡辺−羽生戦(王座戦第4局)の
千日手局に次ぐ名局ランキング第2位の将棋である。

記事の参考にした書籍

菅井ノート後手編




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posted by yamataka at 11:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | ゴキゲン中飛車対超速 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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