2012年12月16日

メール対局の難解な終盤戦

20121216(テーマ図).png

今回は、メール対局の難解な終盤戦を紹介したい(後手が私)。

テーマ図は、▲7六馬の利きが厳しく、先手優勢の局面。

ここからどうやって逆転したか?

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テーマ図に至るまでに先手の馬を7六に出させる悪手を指してしまい、
先手優勢のまま終盤を迎えた。

テーマ図は▲6二銀と飛車取りに銀を打った局面で、▲7六馬の利きが厳しく先手優勢。
△8一飛と逃げても、▲4三金△4一玉▲3三金で負け。

ここで後手はどう指すべきか?

テーマ図以下の指し手
△5九飛 ▲7九桂 △9五香 ▲6八銀
△9一飛(第1図)


テーマ図で△5九飛の王手が逆転への布石。

▲7九桂と合い駒させることにより、先手玉の右側が壁になって、急に狭くなった。

5九に飛車を打つのがポイントで、先手玉を狭くする効果の他、△5六飛成や△5六馬を狙っ
ている。したがって、△4九飛や△3九飛ではいけない。

▲7九桂に対して△9五香が△9八銀以下の詰めろ。

先手は、▲6八銀と飛車にあてつつ玉の逃げ道を開けるが、△9一飛と詰めろをかけながら、
手順に飛車を逃げることができた。

テーマ図で単に△8一飛と逃げるより数段利いている。

とはいっても、まだ勝ちになったわけではない。

20121216(第1図).png

第1図以下の指し手
▲4三金 △4一玉 ▲9四歩(第2図


第1図で先手は▲4三金と打った。

この金は質駒になる可能性があるので、金を打たずに▲8八玉と上がるべきかと思っていたが、
再度検討し直したらそうではないことが分かった。

第1図で▲8八玉と上がると△9八歩成▲7七玉△5六馬▲5九銀△5五馬となり、
▲4四歩を抜くことができれば後手玉はすぐに寄らなくなる。

したがって、▲4三金△4一玉までは問題なし。ただ、△4一玉の局面は、先手玉が詰めろに
なっている。

ここで▲9四歩が問題だった。▲9四歩では▲8八玉なら先手の勝ちだった。

以下、△9八歩成▲7七玉となるが、先手に飛車を渡すと自玉が詰むので△5六飛成とはでき
ない。したがって、△5六角成とするが、▲5九銀と飛車を取られてしまう。△5五馬と王手
しても▲6六歩で後続の攻めがない。▲6六歩に対して△4四馬と歩を抜いても、▲4二飛以
下詰まされてしまう。この変化になると、▲4三金と打った手が利いている。

20121216(第2図).png

第2図以下の指し手
△4三金 ▲8八玉 △9八歩成▲7七玉
(第3図)


第2図で質駒の金を取って詰めろをかける。俄然やる気が出てきた。

先手は▲8八玉と逃げるが、△9八歩成と追撃する。以下、▲同香なら△同香成▲同玉に
△6九飛成が詰めろ。

ただし、手順中▲9八同玉で▲7七玉と逃げる手はあった。▲7七玉の局面は、△9五香の利
きがなくなっているので先手玉が詰みにくくなっており、後手の負けかもしれない。

20121216(第3図).png

第3図以下の指し手
△5六飛成▲同 金 △同 馬 ▲6六歩
(第4図)


第3図で△5六飛成。12手前に打った△5九飛の狙いが実現した。しかも、△8五桂以下の
詰めろという最高の形で。
なお、△8五桂以下は、▲8六玉△9六金▲8五玉△7六竜以下の詰み。

▲5六同金に△同馬がまた詰めろ(△6六金▲同馬△8五桂以下)。

▲6六歩と詰めろを受けて第4図。これがまた悩ましい局面だ。

20121216(第4図).png

第4図は先手玉も後手玉も詰みはない。ただし、次に▲4三歩成とされると受けがないので、
後手にとっては忙しい局面。詰めろで迫るか、受けるかの方針を決めなければならない。

まずは、受ける手から見ていく。

▲5六桂がいなくなった(△5六飛成で桂を取った)ので、△4四金と歩を取ることができる。
しかし、それは▲5三銀不成が詰めろ金取りで負けそう。

△4四金がダメなら受けはない。

それなら詰めろで迫ればいいということになるが、そう簡単ではない。先手に金か銀を渡すと
▲3ー飛という手があり、後手玉は詰んでしまう。
▲3一飛以下は、△同玉でも△5二玉でも
詰みだが長手数となる。

金も銀も渡さずに先手玉に詰めろをかけるという条件をクリアするための苦悩が始まる。
ただし、▲7六馬の利きが止まれば金や銀を渡してもよい。

第4図以下の指し手
△6五桂 ▲同 馬 △8五桂 ▲7六玉
△7八馬(第5図)


第4図では、まず△6五歩を考えた。

△6五歩は△8五桂以下の詰めろ(長手数)なので、▲4三歩成とできない。

△6五歩に対して▲同歩は△6六銀▲同馬△8五桂▲7六玉△8四桂▲8五玉△7六馬
(参考1図)で勝ち。

20121216(参考1図).png

参考1図の局面は▲7六馬が消えているので後手玉は詰まない。

△6五歩に対して▲同馬も△8五桂▲7六玉△8四桂▲8五玉△6五馬(参考2図)で勝ち。

20121216(参考2図).png

ただ、△6五歩は王手ではないので、▲6七銀と受ける手があり、このあとどう指せばいいの
か分からなかった。

したがって、△6五歩を断念し、△6五桂と王手することにした。

▲6五同馬のところ▲同歩なら、馬の利きがなくなるので、金銀を渡しても詰めろにならない。

具体的には、▲6五同歩には△8六桂と打つ。これが、△7八馬以下の詰めろ。

以下、▲8六同歩、▲8六同玉、▲6七銀、▲6七馬などの手があるが、
いずれも詰めろが続き、後手の勝ちだと思うがどうだろうか?

本譜は▲6五同馬以下、△8五桂▲7六玉△7八馬と詰めろをかけて第5図。

20121216(第5図).png

第5図以下の指し手
▲5一飛 △同 飛 ▲同銀成 △同 玉
▲8一飛 △7一歩 ▲4三歩成(第6図)


先手は▲5ー飛と王手をかけ、▲4三歩成で第6図。

20121216(第6図).png

第6図以下の指し手
△8六金 ▲同 歩 △7七飛 ▲8五玉
△9六馬 ▲8四玉 △7三銀 ▲9三玉
△8二金 ▲同飛成 △同 銀 ▲同 玉
△8ー歩 ▲9二玉 △9一歩 ▲同 玉
△8二銀(投了図)
まで150手で後手の勝ち


第6図では、最初に△9六飛を読んだが、▲8六歩で詰まないようだ。

そこで発見したのが△8六金。これが好手だった。▲同歩と取らせて△9六馬と引くスペース
を作ってから△7七飛と打つのがポイント。

なお、▲8六同歩のところで▲同玉でも△6八馬で詰んでいる。

本譜は△9六馬以下、詰ますことができた。

20121216(投了図).png

まとめ

本局を改めて振り返ると、私の対局の中ではまれにみる難解な終盤だった。

あえて敗着を挙げるとすれば、113手目の▲9四歩であろう。この手で▲8八玉と上がれば先
手の勝ちだった。117手目の▲7七玉が本当の敗着だった可能性はあるが、仮にそうだったと
しても、▲9四歩が流れを大きく変えたことは間違いない。

本局は、メール対局だったのでたまたま勝つことができたが、大会などで秒読みだったら詰む
詰まないの変化を読み切って勝つ自信は全くない。

参考までに、本局の棋譜は以下のとおり。

先手:某氏
後手:yamataka

▲7六歩 △3四歩 ▲4八銀 △8四歩
▲5六歩 △8五歩 ▲5七銀 △6二銀
▲7八金 △3二金 ▲6九玉 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲2二角成△同 銀
▲8八銀 △8二飛 ▲5八金 △4一玉
▲6六歩 △6四歩 ▲6七金右△3三銀
▲8七歩 △6三銀 ▲2六歩 △5二金
▲2五歩 △4四歩 ▲7九玉 △7四歩
▲3六歩 △3一玉 ▲7七桂 △9四歩
▲9六歩 △7三桂 ▲1六歩 △1四歩
▲3七角 △8一飛 ▲8九玉 △4五歩
▲1五歩 △同 歩 ▲同 香 △1三歩
▲6五歩 △同 桂 ▲同 桂 △同 歩
▲7三角成△7一飛 ▲5五馬 △5四銀
▲7七馬 △4三金右▲5五歩 △6三銀
▲3七桂 △1七角 ▲2九飛 △4四角成
▲5六銀 △7五歩 ▲6五銀 △7六歩
▲同 銀 △9五歩 ▲同 歩 △9七歩
▲7五歩 △8四桂 ▲5六桂 △1七馬
▲2四歩 △同 歩 ▲2五歩 △1八馬
▲2六飛 △7六桂 ▲同 馬 △1七馬
▲2九飛 △1八馬 ▲7九飛 △3六馬
▲2四歩 △2二歩 ▲2九飛 △4二玉
▲2五桂 △4七馬 ▲3三桂成△同金上
▲4四歩 △7七歩 ▲4三歩成△同 金
▲7七銀 △2九馬 ▲4四歩 △3三金
▲6二銀 △5九飛 ▲7九桂 △9五香
▲6八銀 △9一飛 ▲4三金 △4一玉
▲9四歩 △4三金 ▲8八玉 △9八歩成
▲7七玉 △5六飛成▲同 金 △同 馬
▲6六歩 △6五桂 ▲同 馬 △8五桂
▲7六玉 △7八馬 ▲5一飛 △同 飛
▲同銀成 △同 玉 ▲8一飛 △7一歩
▲4三歩成△8六金 ▲同 歩 △7七飛
▲8五玉 △9六馬 ▲8四玉 △7三銀
▲9三玉 △8二金 ▲同飛成 △同 銀
▲同 玉 △8一歩 ▲9二玉 △9一歩
▲同 玉 △8二銀
まで150手で後手の勝ち

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タグ:メール対局
posted by yamataka at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 自戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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