2012年12月21日

ゴキゲン中飛車対超速 △4四銀型(羽生−広瀬戦)

20121221(テーマ図).png

2012年12月17日に指された羽生善治三冠−広瀬章人七段の棋王戦より。

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テーマ図から先手の指し方は、イビ穴を目指す指し方と▲7七銀〜▲6六銀と2枚銀を繰り出
す指し方に分かれる。羽生三冠の選択は後者。

以下、駒組みを進めて第1図。▲1五歩と端の位を取ったことがどう影響するか?

20121221(第1図).png

第1図以下の指し手
▲4五桂 △4二角 ▲5五銀左△同 銀
▲同 銀 △3三桂 ▲4六歩 △6五銀
▲3五歩 △7六銀 ▲2六飛 △5四歩
(第2図)

第1図で▲4五桂と跳ねれば▲4六歩まではこう進むところ。ただし、手順中△4二角では
△2二角もあり、それに対して先手は2筋の歩を交換することになる。

△6五銀は、この戦型ではよく見られる。△7六銀〜△7七桂〜△5五飛が一つの狙い。

▲3五歩〜▲2六飛が用意の手順。▲3四歩△4五桂▲同歩となれば7六銀に飛車が当たって
くる。

第2図の△5四歩までは、▲1五歩△9四歩の突き合いを除き、2012年8月に指された
中田宏樹七段−広瀬章人七段戦(B級1組順位戦)と同一局面。

ただし、△5四歩では△6五歩が有力だったようだ。

20121221(第2図).png

第2図以下の指し手
▲3四歩 △4五桂 ▲同 歩 △8七銀成
▲同 玉 △5五歩 ▲7八玉(第3図)

第2図以下、中田−広瀬戦は▲3三桂成△同角▲6六銀△4四角と進んだが、先手が面白くなかったようだ。

そこで先手は▲3四歩と取り込む。以下、△4五桂▲同歩で飛車の横利きが通り、7六銀に当
たっている。

そこで後手は何と△8七銀成!

一見タダで銀を捨てるように見えるが、直後に△5五歩で銀を取り返せるので駒損にならず、
その上先手玉を乱すことができる。

▲7八玉と玉形を整備して第3図。

20121221(第3図).png

第3図の局面は先手がまとめにくいように見えたが、羽生三冠はうまくまとめた。

▲7六銀〜▲6五銀で飛車を追った手と攻防の▲8八香で先手陣が手厚くなった。

△4七と▲同金でと金を捨て、△3八飛成に▲5八銀と受けて第4図。

20121221(第4図).png

第4図以下の指し手
△4九銀 ▲1八飛 △3九竜 ▲4九銀
△同 竜 ▲5八銀 △2九竜 ▲1六飛
(第5図)

20121221(第5図).png

第4図と第5図を比べて頂きたい。第4図で△2九竜と指して、さらに後手番となっているの
が第5図。2手続けて指せるので後手がずいぶん得したように見えるが、適当な手がないのを
見越してのこと。羽生三冠の大局観が光る。

以下、羽生三冠が寄せきった。

これで、羽生三冠が挑戦者決定二番勝負に進出した。羽生三冠が挑戦者になるには2連勝しな
ければならず、渡辺竜王が有利な状況だ。

羽生三冠が挑戦者になるためには、後手番の戦い方がポイントになるであろう。

最後に、最近のトッププロの将棋ではゴキ中側が苦戦している印象がある。当ブログでも、最
近はゴキ中側が負ける将棋を紹介することが多いような気がする。



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posted by yamataka at 01:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | ゴキゲン中飛車対超速 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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