2013年02月02日

第71期A級順位戦 8回戦の結果

昨日(2013年2月1日)、第71期A級順位戦8回戦が5局同時対局で行われた。

その結果、挑戦者、降級者ともに決まらず、3月1日の最終戦に持ち越された。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

1.8回戦の結果

7回戦終了時点の成績は、以下のとおり。

6勝1敗 羽生三冠
5勝2敗 渡辺竜王、三浦八段
4勝3敗 屋敷九段、郷田棋王
3勝4敗 佐藤王将、深浦九段
2勝5敗 谷川九段、高橋九段
1勝6敗 橋本八段

8回戦の注目対局は、羽生−渡辺戦と谷川−橋本戦。

8回戦の結果は以下のとおりとなった(左が先手)。

羽生三冠 ○−● 渡辺竜王
三浦八段 ○−● 深浦九段
佐藤王将 ○−● 屋敷九段
郷田棋王 ○−● 高橋九段
谷川九段 ●−○ 橋本八段

7勝1敗 羽生三冠
6勝2敗 三浦八段
5勝3敗 渡辺竜王、郷田棋王
4勝4敗 屋敷九段、佐藤王将
3勝5敗 深浦九段
2勝6敗 谷川九段、高橋九段、橋本八段

挑戦者、降級者ともに決まらず、3月1日の最終戦に持ち越されることとなった。

2.羽生−渡辺戦

8回戦の中で、挑戦者の行方を大きく左右するであろう1局。
かつ、現棋界最高の対戦、羽生善治三冠−渡辺明竜王戦を見てみたい。

本局は、まず羽生三冠の▲7六歩に渡辺竜王が2手目に△3四歩と突いたのに驚いた。
渡辺竜王が2手目に△3四歩と指すのも横歩取りを採用するのも相当久し振りだと思う。

羽生三冠相手に後手矢倉で結果を出せていないからなのか、秘策を用意しているのか、2手目
△3四歩の理由は分からない。

ともかく横歩取りとなり、第1図となった。

20130202(第1図).jpg

第1図での指し手は△7五歩と△5五飛に分かれる。本局は△7五歩だった。
ちなみに、郷田−高橋戦も同一局面となったが、△5五飛だった。

そして、夕食休憩の局面が第2図。

20130202(第2図).jpg

羽生三冠の方が指しやすいと見ていたが、第2図の△3六歩が好手。
▲4五桂に対しては、△2八馬が非常に味のよい手で渡辺乗りの見方が多くなる。

羽生三冠も次の手にはかなり苦慮したようで、この局面で1時間7分消費して夕食休憩
となった。

再開後、羽生三冠はさらに50分考え、▲8三金と着手した。

20130202(第3図).jpg

この▲8三金が好手で羽生三冠がよくなったかと思ったが、そうではなかったようだ。

本当のドラマは最後に待っていた。

20130202(第4図).jpg

第4図は▲7七銀と王手を受けた局面。実は、この局面で後手玉は詰めろと両者ともに錯覚し
ていたらしい。数手前に後手玉が銀1枚で詰む状況になっていたことが錯覚の原因のようだ。

第4図で△7七歩成なら後手が勝ちだったようだが、本譜は△2三歩▲3四桂△5二玉
▲3三竜と進み逆転。以下、先手の羽生三冠が勝った。

珍しい逆転劇で、まさに終盤のドラマだった。最強プロならではの錯覚と言えよう。

これで羽生三冠は7勝1敗となり、挑戦者に近づいた。一方、敗れた渡辺竜王は5勝3敗とな
り、挑戦者の可能性はなくなった。

3.9回戦の予想

8回戦終了時の成績表と9回戦の対戦表を見ながら予想してみたい。

成績表
7勝1敗 羽生三冠
6勝2敗 三浦八段
5勝3敗 渡辺竜王、郷田棋王
4勝4敗 屋敷九段、佐藤王将
3勝5敗 深浦九段
2勝6敗 谷川九段、高橋九段、橋本八段

9回戦の対戦表(左が先手)
橋本八段−羽生三冠
高橋九段−三浦八段
渡辺竜王−郷田九段
深浦九段−佐藤王将
屋敷九段−谷川九段

まずは挑戦者予想から。
挑戦者は、羽生三冠と三浦八段の二人に絞られた。

三浦勝ち、羽生負けの場合のみプレーオフ、その他は羽生挑戦となる。

羽生三冠が勝って、すんなりと単独挑戦を決めると予想する。

やはり8回戦(羽生−渡辺戦)での逆転勝利は大きかった。

次は、熾烈を極める残留争い。

降級の可能性があるのは、深浦九段、谷川九段、高橋九段、橋本八段の4人。
このうち深浦九段、谷川九段の二人が自力。つまり、勝てば無条件の残留。

深浦九段は、負けても谷川、高橋、橋本のうち二人が負ければ残留。
谷川九段は、負けても高橋、橋本が二人とも負ければ残留。

一方、高橋九段、橋本八段は負ければ降級が確定する。勝っても残留できるとは限らない。

つまり、
高橋九段は、勝っても深浦、谷川の両者が勝てば降級。
橋本八段は、勝っても深浦、谷川、高橋のうち二人が勝てば降級。
という状況。

単純計算で残留確率は以下のとおりとなる。
深浦九段 75.0%
谷川九段 62.5%
高橋九段 37.5%
橋本八段 25.0%

個人的には谷川九段を応援しているが、気になるデータがある。
それは、対戦相手の屋敷九段が前期から先手勝ち、後手負けが続いているということ。
最終戦は屋敷九段が先手。

果たして、結果はどうなるであろうか?

いろいろと述べてきたが、いかなる状況であろうとも目の前の対局だけに全力投球し、
勝利を目指すはず。好局を期待したい。

初のフルタイム放送になるらしい。今からワクワクしている。



記事が気に入ったら、ポチッとお願いします。
にほんブログ村 その他趣味ブログ 将棋へ




posted by yamataka at 10:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 棋界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック