2013年03月02日

将棋界の一番長い日(第71期A級順位戦最終局)

昨日(2013年3月1日)、東京・将棋会館で第71期A級順位戦最終局が一斉に行われた。

挑戦者は羽生三冠となり、降級者は高橋九段、橋本八段となった。

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1.最終局の組み合わせ

8回戦終了時点の成績は、以下のとおり。

7勝1敗 羽生三冠
6勝2敗 三浦八段
5勝3敗 渡辺竜王、郷田棋王
4勝4敗 屋敷九段、佐藤王将
3勝5敗 深浦九段
2勝6敗 谷川九段、高橋九段、橋本八段

挑戦者争いは羽生三冠と三浦八段の二人。
残留争いは深浦九段、谷川九段、高橋九段、橋本八段の四人に絞られた。

最終局の組み合わせは以下のとおり(左が先手)。

橋本八段−羽生三冠
渡辺竜王−郷田棋王
高橋九段−三浦八段
深浦九段−佐藤王将
屋敷九段−谷川九段

注目は橋本−羽生戦。羽生三冠は勝てば挑戦者となる。一方、橋本八段は負ければ降級が決定。
もう1局の注目が屋敷−谷川戦。谷川九段が31年間守り続けたA級の座を維持できるかどうか
に注目が集まっていた。

2.橋本−羽生戦

一番早く終わったのが橋本−羽生戦。

橋本八段のゴキゲン中飛車に対して、羽生三冠が完全に押さえ込みに成功。
橋本八段が何もできずに投了。まさに横綱相撲だった。

羽生三冠の緩急自在の指し回しはとても真似できない。

終局は22時11分。

これで、羽生三冠は8勝1敗で名人挑戦が決定。
一方、橋本八段は2勝7敗で残念ながら1期で降級となった。

3.渡辺−郷田戦

本局は唯一挑戦にも降級にもからまない一局。好カードなだけに何とももったいない。
実際、一番面白い将棋だったと思う。

将棋は相矢倉から先手の渡辺竜王が攻める展開に。こうなると誰も止めることはできない。
したがって、解説者全員が先手持ち。

ところが、後手の郷田棋王が受けきって勝ったのには驚いた。
渡辺竜王の先手矢倉に勝つのは並大抵なことではない。
郷田棋王、恐るべし。

棋王戦(現在1勝1敗)の展開が楽しみである。

終局は23時16分。

勝った郷田九段は6勝3敗で第3位が確定。
負けた渡辺竜王は5勝4敗で第4位が確定した。

4.屋敷−谷川戦

谷川九段のゴキゲン中飛車に屋敷九段が超速を採用し、相穴熊となる。
途中、谷川九段が指しやすいように見えたが、角を取られて形勢が一気に屋敷九段に傾いた。

結局、そのまま屋敷九段が押し切った。

終局は0時12分。

勝った屋敷九段は5勝4敗で第5位が確定した。過去2年間のA級順位戦で、先手全勝、後手
全敗の珍記録が続いている。
一方、負けた谷川九段は2勝7敗。
これによって深浦九段の残留が確定した。降級者の残り1名は高橋−三浦戦に委ねられた。
つまり、高橋九段は勝てば残留(谷川九段が降級)、負ければ降級ということになった。

谷川九段、史上最大のピンチ。

5.深浦−佐藤戦

佐藤王将が見たことのない作戦で乱戦となった。終局は早いと思われたが、長い将棋となった。

もともとは深浦九段の残留がかかる1局だったが、前述のとおり谷川九段が負けたことによっ
て深浦九段の残留が確定。本局の注目度が一気に下がった。

終局は0時33分、佐藤王将の勝ち。

勝った佐藤王将は5勝4敗で第6位が確定した。
一方、深浦九段は3勝6敗。A級4期目にして初の残留という事実は、深浦九段の実力を考え
ると意外としかいいようがない。

6.高橋−三浦戦

最後に残ったのが高橋−三浦戦というのは、何と劇的な展開であろう。

将棋の内容も手に汗握る展開で、最後は詰むや詰まざるや。解説を聞いていてもよく分からな
かった。

終局は0時55分。三浦八段の勝ち。

この結果、谷川九段の残留、高橋九段の降級が決定した。
その後しばらく感想戦の様子が映っていたが、何とも重苦しい雰囲気であった。

残留決定後のインタビューで、谷川九段が苦しそうに話す姿も印象的だった。自分は負けて、他力で残留が決まったこともあると思うが、残留を決めた喜びは全く感じられなかった。むしろ、自分の成績を不甲斐なく思う気持ちが伝わってきた。

7.まとめ

「囲碁将棋チャンネル」「ニコニコ生放送」「名人戦棋譜速報」「日本将棋連盟ライブ中継」といろいろなメディアで「将棋界の一番長い日」を楽しませてもらった。

朝9時30分から終局まで放送という初の試みは成功だったのではないだろうか。


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タグ:順位戦
posted by yamataka at 09:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 棋界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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