2013年04月02日

第71期名人戦展望

2013年4月9日、第71期名人戦七番勝負が開幕する。

当ブログでも勝敗予想の投票を行っているが、今回は羽生三冠の立場から第71期名人戦
七番勝負を論じてみたい。

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※両者の肩書きは過去に変わっているが、以下の記載では2013年4月2日時点の肩書き、
 すなわち森内名人、羽生三冠で統一する。

1.森内−羽生の名人戦について

ご承知のとおり、第71期名人戦の挑戦者は羽生三冠となった。
これで、森内−羽生の名人戦は3年連続となった。

両者の名人戦での対戦は過去に7回あり、森内名人の4勝3敗。過去2年は、2年前の
第69期は4勝3敗、昨年の第70期は4勝2敗でいずれも森内名人が勝っている。

過去2年はいずれも羽生勝ちと予想していた。これは私だけではなく、大方の予想が
そうだったであろう。

私が、羽生勝ちと予想した理由は、
・森内名人の他棋戦での成績が悪い
・羽生三冠の調子がよい
・両者の実力、実績の比較
といったところである。

ところが結果は、2回とも森内名人の勝ち。
他棋戦の成績や実績だけでは決まらないところが面白い。
森内名人が名人戦で滅法強い点を考慮すべきであった。

ということで、現時点では勝敗不明としておこう。

2.4勝2敗の戦略

冒頭で記載したとおり、羽生三冠の立場で今回の名人戦を論じてみたい。
まずは、4勝2敗戦略から。

そのために参考になるのが前期の七番勝負である。
まずは第70期名人戦七番勝負を分析してみたい。

    (左が先手)
第1局 森内○−●羽生 矢倉3七銀型
第2局 羽生○−●森内 角換わり
第3局 森内○−●羽生 矢倉後手急戦
第4局 羽生○−●森内 矢倉3七銀型
第5局 森内○−●羽生 横歩取り
第6局 羽生●−○森内 角換わり

先手と後手に分けて、勝った森内名人側から勝敗を見てみると、
先手番で3勝0敗、後手番で1勝2敗という結果であった。

この結果は、第62期と第66期でも見られる。
第62期は、第70期と同様に森内名人が先手番で3勝0敗、後手番で1勝2敗。
第66期は、羽生三冠が先手番で3勝0敗、後手番で1勝2敗。

ここから言えることは、両者の名人戦七番勝負では先手の勝率が圧倒的に高く、
1回でも後手番で勝った方が有利になるということ。

では、なぜこんなに先手の勝率が高いのか?

これは、持ち時間が9時間と最も長い棋戦であることに加え、最高の実力者同士の戦い
のため、終盤での逆転が少ないからということが言えるであろう。

特に森内名人にその傾向が強く、持ち時間が長ければ長いほど実力を発揮するタイプの
ようである。

ということで、4勝2敗で勝つ戦略(先手番で3勝0敗、後手番で1勝2敗)を立てると
よいのではないかということになる。

3.戦型選択

次に、4勝2敗戦略を前提に、羽生三冠の側から見た戦型選択を考えてみたい。

参考までに第69期名人戦七番勝負の勝敗と戦型を見ることにする。

第1局 森内○−●羽生 横歩取り
第2局 羽生●−○森内 矢倉3七銀型急戦
第3局 森内○−●羽生 ゴキゲン中飛車
第4局 羽生○−●森内 矢倉3七銀型
第5局 森内●−○羽生 横歩取り
第6局 羽生○−●森内 矢倉3七銀型
第7局 森内○−●羽生 横歩取り

まずは、羽生三冠が先手の場合の戦型を考えてみる。

初手から▲7六歩△8四歩と進むのは間違いないと見ていいでろう。
そうなると、戦型の選択権は羽生三冠にある。

矢倉か角換わりになると思われるが、矢倉3七銀型を中心に考えたい。
統計をとったわけではないが、矢倉の方が勝率が高い印象がある。

先手番では1局も落としてはいけない。

悩ましいのが後手番。

初手は▲7六歩として、羽生三冠が後手番の場合は、△8四歩も△3四歩もある。

後手番では何をやってもうまくいく印象がないのだが、ゴキゲン中飛車は避けるべきで
あろう。羽生三冠のゴキゲン中飛車は、森内名人にうまく押さえ込まれる印象がある。
典型的なのが第69期名人戦第3局。

あと、渡辺竜王との王座戦で採用した角交換四間飛車、2手目3二飛も作戦としては
成功したとは言えない。

ではどうすればいいか?

やはり、後手でも互角に戦える印象がある横歩取りを中心に組み立てるのがいいのでは
ないかと思う。

具体的には、以下の3通り
@横歩取り3局
A横歩取り2局、矢倉1局(▲7六歩△8四歩なら矢倉の可能性が高い)
B横歩取り2局、矢倉1局、その他(角交換四間飛車か2手目3二飛)1局

このうちどれがベストか分からないが、3局のうち1局を勝てばいいという
計算である。

4.当ブログの投票(途中経過)

当ブログでは第71期名人戦七番勝負の予想投票を行っているが、本日(2013年4月2日)
時点の途中経過は以下のとおり。

森内名人10票
羽生三冠30票

その中でも羽生三冠が4勝2敗で勝つという予想が最も多く、14票。
(4勝2敗戦略と合致)

勝敗はどうなるか分からないが、個人的には今度こそ羽生三冠が勝つことを期待している。

最後に、締め切りまで数日ありますので、当ブログの投票をよろしくお願いいたします。


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posted by yamataka at 08:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 棋界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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